美観地区にも、少し早く梅雨が訪れました。

雨の日が続いたかと思えば、夏日になることもあり、夏の訪れを感じています。

今回はそんな季節におすすめの場所を紹介します。

大原美術館の隣にひっそりと佇む、『新渓園』。

56畳の大広間と、川が流れる大きな庭園が特徴の庭園邸宅です。

新渓園は、1893年に倉敷紡績の初代社長 大原孝四郎の別荘として建てられ、和風建築として高く評価されてきました。大原家本邸の向かいに建てられたことから、当時は「向亭(むかいてい)」と呼ばれていたそうです。

1922年、孝四郎の息子で大原美術館の創立者でもある大原孫三郎は、新渓園を多くの人に使って欲しいと願い、市民の憩いの場として向亭を当時の倉敷町へ寄付しました。この時に、孝四郎の雅号である「新渓」から文字をとって、『新渓園』と名付けられました。孫三郎の願い通り、現在でもお茶会や結婚式などが催され、町に馴染み深い場所として利用され続けています。


庭園を手掛けたのは、明治から大正にかけて多くの名庭園を手がけた 京都の名作庭家 七代目小川治兵衛です。著名な代表作には、平安神宮神苑、無鄰菴庭園、孫三郎が病弱な妻のために建設した有隣荘庭園があります。

自然の景観と躍動的な水の流れをくみこんだ自然主義的な庭園を得意とした小川治兵衛。山や川などの自然の景色を凝縮したかのような庭園には、東西に延びる川を表現した大きな池があり、そのほとりには苔生して涼しげな岩々、野山の小川を思わせる様々な植物が芽吹いています。

庭園の中には散策道が施されていて、庭園内を歩いて鑑賞する事もできます。身をかがめて木々の間を歩きながら水面や草木を眺めていると、まるで野山にハイキングにきたような、軽やかでわくわくした気持ちになります。

新渓園は、現在休園しておりますが、6月21日から一般開放が再開する予定です。お散歩の際には是非立ち寄ってみて下さいね。


庭園で休憩していると、ふと、鈴木社長から伺った「くらしき藹然」の名前の由来を思い出しました。社長が大切にしている「藹然(あいぜん)」という言葉、馴染みのない方も多いのではないでしょうか? この言葉は、『六然訓』という中国の明の時代の古典に出てきます。

「自處超然 處人藹然 有事斬然 無事澄然 得意澹然 失意泰然」

2番目に出てくる「處人藹然」が、くらしき藹然の由来です。

『藹』という文字は、「穏やかで、心が和む様子、草木が盛んに茂る様子」を表します。『處人藹然』とは、「ひとに接するときは、表情も態度も、春のようにやわらいで、穏やかな気持ちでいる」という意味になります。

社長の「處人藹然」の思いがこもったおせんべいは、心が和む穏やかな美味しさで、食べると元気が出ます。美観地区にいらした際は、是非くらしき藹然のおせんべいもお試しくださいね。


新渓園は、新型コロナウイルス感染症対策のため2021年6月20日まで休園しております。

詳しくは倉敷市公式観光サイトをご確認ください。

倉敷市公式観光サイト:倉敷観光WEB